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最近良かった本その1

「走ることについて語るときに僕の語ること」村上春樹
走ることをテーマにして、珍しくもまっすぐに自分自身をも語っている。
長編小説には1〜2年かけてじっくりとりくみ、小説家としての体力維持のために、マラソンやトライアスロンにコツコツ挑戦しつづける、まさに長距離ランナー的な生き方。
それにしても、50代後半にして、この体型!
私は学生時代、体育でマラソンは最も苦手な種目だったので、ランナーの気持ちも興味深かった。
やはり、途中は苦しいし、不機嫌にもなるのね。何事もそうですよね。

「夜にそびえる不安の塔」井形慶子
占いの世界を覆面取材した、ノンフィクション。
作者はやがて、その3人の占い師にのめりこみ、依存し、そして…。
いや〜、怖いです。当たる占い師は将来を暗示するけど、だからといって(あたりまえだけど)解決してくれるわけじゃない。
読み始めたら止まりません。一気に読ませます。小説を読んだような満足感。

「八日目の蝉」角田光代
不倫相手の家の赤ん坊を盗み、逃亡しながら育てようとする女性。
角田さんには珍しく、社会派サスペンス。
親子とは、そして何が本当の幸せなのか、考えさせられます。
角田さんの小説は、人間のどうしようもない部分をえぐるので、読んでてもやもやしてしまいますが、それでも時々読んでしまう。そしてまた、もやもやしてしまう。


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by namima54 | 2007-11-08 22:45